春樹 村上 - 1Q84

Здесь есть возможность читать онлайн «春樹 村上 - 1Q84» весь текст электронной книги совершенно бесплатно (целиком полную версию без сокращений). В некоторых случаях можно слушать аудио, скачать через торрент в формате fb2 и присутствует краткое содержание. Город: Tokyo, Год выпуска: 2009, ISBN: 2009, Издательство: Shinchosha Inc., Жанр: Современная проза, на японском языке. Описание произведения, (предисловие) а так же отзывы посетителей доступны на портале библиотеки ЛибКат.

1Q84: краткое содержание, описание и аннотация

Предлагаем к чтению аннотацию, описание, краткое содержание или предисловие (зависит от того, что написал сам автор книги «1Q84»). Если вы не нашли необходимую информацию о книге — напишите в комментариях, мы постараемся отыскать её.

1Q84 — читать онлайн бесплатно полную книгу (весь текст) целиком

Ниже представлен текст книги, разбитый по страницам. Система сохранения места последней прочитанной страницы, позволяет с удобством читать онлайн бесплатно книгу «1Q84», без необходимости каждый раз заново искать на чём Вы остановились. Поставьте закладку, и сможете в любой момент перейти на страницу, на которой закончили чтение.

Тёмная тема
Сбросить

Интервал:

Закладка:

Сделать

「センセイと」と天吾は言った。

「センセイとうまくはなせるか」とふかえりが反復した。

 天吾は少し迷ってから、気持ちを打ち明けた。「結局、いろんなことがうまくかみあわず、何もかも駄目になってしまうような気がする」

 ふかえりは身体の向きを変え、天吾の顔を正面からまっすぐ見た。「なにがこわい」と彼女は尋ねた。

「僕は何を恐れているか?」と天吾は彼女の質問を言い換えた。

 ふかえりは黙って肯いた。

「新しい人に会うことが怖いのかもしれない。とりわけ日曜日の朝に」と天吾は言った。

「どうしてニチヨウ」とふかえりは尋ねた。

 天吾はわきの下に汗をかき始めていた。胸がきつくしめつけられる感覚があった。新しい誰かに会うこと、そして新しい何かがもたらされること。それによって自分の今ある存在が脅かされること。

「どうしてニチヨウ」とふかえりはもう一度尋ねた。

 天吾は少年時代の日曜日のことを思い出した。予定していた集金のルートを一日かけて回り終えると、父親は彼を駅前の食堂に連れて行き、なんでも好きなものを注文していいと言った。それはご褒美{ほうび}のようなものだった。つつましい生活を送っていた二人にとってはほとんど唯一の外食の機会である。父親はそこでは珍しくビールを頼んだ(父親はいつもはほとんど酒を口にしなかった)。しかしそう言われても、天吾は食欲をまったく感じなかった。普段はいつも腹を空かせていたのだが、日曜日に限っては何を食べてもなぜかうまいとは思わなかった。注文したものを残さずに食べるのは——食べ残すことは絶対に許されなかった——苦痛でしかなかった。思わず吐きそうになることもあった。それが少年時代の天吾にとっての日曜日だった。

 ふかえりは天吾の顔を見た。彼の目の中にあるものを探った。それから片手を伸ばし、天吾の手をとった。天吾は驚いたが、驚きを顔に出さないように努めた。

 電車が国立駅に到着するまで、ふかえりはそのまま彼の手を軽く握り続けていた。彼女の手は思ったより硬く、さらりとしていた。熱くもなく、冷たくもない。その手は天吾の手のおおよそ半分の大きさしかなかった。

「こわがることはない。いつものニチヨウじゃないから」と少女は誰もが知っている事実を告げるように言った。

 彼女が二つ以上のセンテンスを同時に口にしたのはこれが初めてかもしれない、と天吾は思った。

第9章 青豆

風景が変わり、ルールが変わった

 青豆は自宅からいちばん近いところにある区立図書館に行った。そしてカウンターで新聞の縮刷版の閲覧を請求した。一九八一年の九月から十一月までの三ヶ月ぶんだ。朝日と読売と毎日と日経がありますが、どの新聞がご希望ですか、と図書館員が尋ねた。眼鏡をかけた中年の女性で、図書館の正式な職員というよりは、主婦のパートタイムのように見えた。それほど太っているというのでもないのに、手首がハムのようにむくんでいた。

 どれでもかまわないと青豆は言った。どれだって同じようなものだ。

「そうかもしれませんが、どれかひとつに決めていただかないと困るんです」、女はそれ以上の議論をはねつけるような抑揚のない声でそう言った。青豆も議論をするつもりはなかったから、とくに理由もなく毎日新聞を選んだ。そして仕切のついたテーブルに座ってノートを広げ、ボールペンを片手に、新聞に掲載されている記事を目で追っていった。

 一九八一年の初秋には、それほど大きな事件は起こっていなかった。その年の七月にチャールズ王子とダイアナが結婚式をあげており、その余波がいまだに続いていた。二人がどこに行ってどんなことをして、ダイアナがどんな服を着て、どんな装身具をつけていたか。チャールズとダイアナが結婚式をあげたことを青豆はもちろん知っていた。しかしそれについてとりたてて興味は持たなかった。世間の人々が英国の皇太子や皇太子妃の運命に対して、どうしてそんなに深い関心を持たなくてはならないのか、青豆にはまったく理解できなかった。チャールズは外見からいえば、皇太子というよりは、胃腸に問題を抱えた物理の教師みたいに見えた。

 ポーランドではワレサ議長の率いる「連帯」が政府との対立を深め、ソビエト政府はそのことに「憂慮の意」を示していた。より明瞭な言葉を使えば、ポーランド政府が事態を収拾できなければ、六八年の「プラハの春」のときのように戦車の軍団を送り込んでやるぞということだ。そのあたりのことも青豆はおおよそ覚えていた。結局はいろいろあった末にソ連がとりあえず介入をあきらめたことも知っている。だから記事を詳しく読む必要はなかった。ただひとつ、アメリカのレーガン大統領が、おそらくはソビエトの内政干渉を牽制する目的で、「ポーランドでの緊張が、米ソ共同の月面基地建設計画に支障を及ぼさないことを期待する」という声明を出していた。月面基地建設? そんな話は耳にしたこともない。でもそういえば、このあいだのテレビのニュースで何かそういうことを言っていたような気がする。関西から来た髪の薄い中年男と赤坂のホテルでセックスをした夜だ。

 九月二十日にはジャカルタで世界最大規模の凧{たこ}揚げ大会が開催され、一万人以上の人が集まって凧をあげた。そんなニュースを青豆は知らなかったが、知らなくてもとくに不思議はない。三年前にジャカルタで行われた凧揚げ大会のニュースをいったい誰が覚えているだろう。

 十月六日にはエジプトでサダト大統領が、イスラム過激派のテロリストに暗殺された。青豆はその事件を記憶しており、サダト大統領のことをあらためて気の毒に思った。彼女はサダト大統領の頭の禿げ方がけっこう気に入っていたし、宗教がらみの原理主義者たちに対しては、一貫して強い嫌悪感を抱いていたからだ。そういった連中の偏狭な世界観や、思い上がった優越感や、他人に対する無神経な押しつけのことを考えただけで、怒りがこみ上げてくる。彼女にはその怒りをうまくコントロールすることができなかった。しかしそれは現在彼女が直面している問題とは関係のないことだ。青豆は何度か深呼吸をして神経を鎮めてから、次のページに移った。

 十月十二日には東京板橋区の住宅地で、NHKの集金人(56歳)が受信料の支払いを拒否した大学生と口論になり、鞄に入れて持ち歩いていた出刃包丁で相手の腹を刺して重傷を負わせた。集金人は駆けつけた警官にその場で逮捕された。集金人は血だらけの包丁を手にほとんど放心状態でそこに立ちつくしており、逮捕に際してはまったく抵抗をしなかった。集金人は六年前から職員として働いており、勤務態度はきわめてまじめで成績も優秀だったと、同僚の一人は語っていた。

Читать дальше
Тёмная тема
Сбросить

Интервал:

Закладка:

Сделать
Отзывы о книге «1Q84»

Обсуждение, отзывы о книге «1Q84» и просто собственные мнения читателей. Оставьте ваши комментарии, напишите, что Вы думаете о произведении, его смысле или главных героях. Укажите что конкретно понравилось, а что нет, и почему Вы так считаете.

x