春樹 村上 - 1Q84

Здесь есть возможность читать онлайн «春樹 村上 - 1Q84» весь текст электронной книги совершенно бесплатно (целиком полную версию без сокращений). В некоторых случаях можно слушать аудио, скачать через торрент в формате fb2 и присутствует краткое содержание. Город: Tokyo, Год выпуска: 2009, ISBN: 2009, Издательство: Shinchosha Inc., Жанр: Современная проза, на японском языке. Описание произведения, (предисловие) а так же отзывы посетителей доступны на портале библиотеки ЛибКат.

1Q84: краткое содержание, описание и аннотация

Предлагаем к чтению аннотацию, описание, краткое содержание или предисловие (зависит от того, что написал сам автор книги «1Q84»). Если вы не нашли необходимую информацию о книге — напишите в комментариях, мы постараемся отыскать её.

1Q84 — читать онлайн бесплатно полную книгу (весь текст) целиком

Ниже представлен текст книги, разбитый по страницам. Система сохранения места последней прочитанной страницы, позволяет с удобством читать онлайн бесплатно книгу «1Q84», без необходимости каждый раз заново искать на чём Вы остановились. Поставьте закладку, и сможете в любой момент перейти на страницу, на которой закончили чтение.

Тёмная тема
Сбросить

Интервал:

Закладка:

Сделать

 二人はシートに腰掛けたまま、終始黙り込んでいた。母親は頭の中で何かの段取りを組み立てているみたいに見えた。隣りに座った娘は手持ちぶさたで、自分の靴を見たり、床を見たり、天井の吊り広告を見たり、向かいに座っている天吾の顔をちらちら見たりしていた。どうやら彼の身体の大きさとくしゃくしゃした耳に興味を持っているらしかった。小さな子供たちはよくそういう目で天吾を見た。害のない珍しい動物でも見るみたいに。その少女は身体も頭もほとんどまったく動かさず、目だけを活発に動かして、まわりのいろんなものを観察していた。

 母子は荻窪駅で電車を降りた。電車がスピードを緩めると、母親は日傘を手に、何も言わずにさっと席を立った。左手に日傘、右手に布バッグ。娘もすぐにそれに従った。素早く席を立ち、母親の後ろから電車を降りた。席を立つときに、もう一度ちらりと天吾の顔を見た。そこには何かを求めるような、何かを訴えるような、不思議な光が宿っていた。ほんの微かな光なのだが、それを見てとることが天吾にはできた。この女の子は何かの信号を発しているのだ——天吾はそう感じた。しかし言うまでもないことだが、たとえ信号を送られたとしても、天吾には何をすることもできない。事情もわからないし、関わりあう資格もない。少女は荻窪駅で母親とともに電車を降り、ドアが閉まり、天吾はそこに腰を下ろしたまま次の駅に向かった。少女が座っていた座席には、模擬試験を受けた帰りらしい中学生の三人組が座った。そして大声で賑やかに話を始めた。しかしそれでも少女の静かな残像はまだしばらくのあいだそこに残っていた。

 その少女の目は、天吾に一人の少女のことを思い出させた。彼が小学校の三年生と四年生の二年間、同じクラスにいた女の子だ。彼女もさっきの少女と同じような目をしていた。その目で天吾をじっと見つめていた。そして……

 その女の子の両親は「証人会」という宗教団体の信者だった。キリスト教の分派で、終末論を説き、布教活動を熱心におこない、聖書に書いてあることを字義通りに実行する。たとえば輸血は一切認めない。だからもし交通事故で重傷を負ったりしたら、生き延びる可能性はぐっと狭まる。大きな手術を受けるのもまず無理だ。そのかわり世に終末が訪れたときには、神の選民として生き残ることができる。そして至福の世界を千年間にわたって生きることができる。

 その女の子もさっきの少女と同じような、大きな綺麗な目をしていた。印象的な目だ。顔立ちも良い。しかし彼女の顔にはいつも不透明な薄皮のようなものがかぶせられていた。存在の気配を消すためだ。必要がない限り、人前では口をきかなかった。感情を顔に出すこともない。薄い唇は常にまっすぐ堅く結ばれていた。

 天吾が最初にその少女に関心を持ったのは、彼女が週末になると母親と一緒に布教活動をしていたからだった。「証人会」の家では、子供も歩けるようになれば、両親とともに布教活動に携わることを求められる。三歳くらいから主に母親と一緒に歩いて、家を一軒一軒まわり、「洪水の前」という小冊子を配り、「証人会」の教義を説明する。現在の世界にどれほど多くの滅びのしるしが現れているかという事実を、人々にわかりやすく説明する。彼らは神のことを「お方さま」と呼んだ。もちろん大抵の家では門前払いを食わされる。鼻先でドアをばたんと閉められる。彼らの教義はあまりにも偏狭で、一方的で、現実離れしているからだ——少なくとも世間の大部分の人の考える現実からはかけ離れている。しかしほんのたまに、まともに話を聞いてくれる人もいる。それがたとえどんな話であれ、話し相手を求めている人々が世間には存在する。そしてその中には、それもまたほんのたまにではあるけれど、集会に出席してくれる人もいる。そのような千にひとつの可能性を求めて、彼らは家から家へと玄関のベルを押してまわる。そんな努力を続け、ほんのわずかでも世界を覚醒に向かわせることが、彼らに与えられた神聖な責務なのだ。そしてその責務が厳しければ厳しいほど、敷居が高ければ高いほど、彼らに与えられる至福もより輝かしいものになる。

 その少女は母親とともに布教にまわっていた。母親は「洪水の前」を詰めた布の袋を片方の手に持ち、だいたいは日傘をもう片方の手に持っていた。その数歩あとに少女が従っていた。彼女はいつものようにまっすぐ唇を結び、無表情だった。天吾は、父親に連れられてNHK受信料の集金ルートをまわりながら、何度かその少女と通りですれ違った。天吾は彼女の姿を認め、相手も天吾の姿を認めた。そのたびに少女の目の中で何かがこっそりと光ったように見えた。しかしもちろん口をきいたりすることはなかった。挨拶ひとつしなかった。天吾の父親は集金の成績を上げることに忙しかったし、少女の母親は来るべき世の終末を説いてまわることに忙しかった。少年と少女はただ日曜日の通りで、親たちに引っ張られるようにして足早にすれ違い、一瞬視線を交わすだけだった。

 彼女が「証人会」信者であることはクラスの全員が知っていた。彼女は「教義上の理由」からクリスマスの行事にも参加しなかったし、神社や仏教の寺院を訪れるような遠足や修学旅行にも参加しなかった。運動会にも参加しなかったし、校歌も国歌も歌わなかった。そのような極端としか思えない行動は、クラスの中で彼女をますます孤立させていった。また彼女はお昼の給食を食べる前に、必ず特別なお祈りを唱えなくてはならなかった。それも大きな声で、誰にも聞こえるようにはっきりと唱える必要があった。当然のことながら、まわりの子供たちはそのお祈りを気味悪がった。彼女だってきっとそんなことは人前でやりたくなかったはずだ。しかし食事の前にはお祈りは唱えるものとたたき込まれていたし、ほかの信者が見ていないからといって、それを怠ることはできなかった。「お方さま」は高いところから、すべてを細かくごらんになっていたからだ。

 天上のお方さま。あなたの御名がどこまでも清められ、あなたの王国が私たちにもたらされますように。私たちの多くの罪をお許しください。私たちのささやかな歩みにあなたの祝福をお与え下さい。アーメン。

 記憶は不思議なものだ。二十年も前のことなのに、その文句をひと通り思い出せる。あなたの王国が私たちにもたらされますように。そのお祈りを耳にするたびに「それはいったいどんな王国なのだろう」と小学生の天吾は考えたものだ。そこにはNHKはあるのだろうか? きっとあるまい。NHKがなければもちろん集金もない。とすれば、その王国が一刻も早く来てくれた方がいいのかもしれない。

Читать дальше
Тёмная тема
Сбросить

Интервал:

Закладка:

Сделать
Отзывы о книге «1Q84»

Обсуждение, отзывы о книге «1Q84» и просто собственные мнения читателей. Оставьте ваши комментарии, напишите, что Вы думаете о произведении, его смысле или главных героях. Укажите что конкретно понравилось, а что нет, и почему Вы так считаете.